当社が参画するNEDO※1のプロジェクト(東京大学等のグループ)は、印刷で製造可能な高性能有機薄膜トランジスタ(以下、有機TFT)回路を開発し、トランジスタの低コスト化・軽量フレキシブル化を可能とする一方、商用周波数※2 での個体識別信号伝送に世界で初めて成功しました。
今回、有機半導体を溶液で塗布すると同時に結晶化させる技術を発展させ、さらに集積回路化技術を新たに開発することで、印刷できる有機TFT整流素子を開発し、13.56 MHzの商用周波数における非接触RFID※3 信号の伝送を実現しました。従来の有機半導体と比べて、1/10のコストで10倍の性能を実現できるため、今後は物流を効率化する省エネ用電子タグやセンシングデバイスなどの普及につながる事が期待されます。
このプロジェクトにおいて当社は、東京大学等及びリガク株式会社とともに、印刷での製造可能な、キャリアの高移動度かつ熱安定性に優れる有機半導体「アルキルDNBDT」を開発しました。これは、新たに開発された有機TFTの活性層に用いられております。
なお、2014年1月29日~31日に開催されるnano tech2014(東京ビックサイト)で、整流アンテナを用いたRFID信号の伝送実験を実演いたします。当展示会へお越しの方は、是非NEDOのブースへ足をお運び下さい。
http://www.nanotechexpo.jp/main/index.html
今後も当社はNEDOプロジェクトへの参画をとおして、有機エレクトロニクスデバイスの更なる高性能化を目指してまいります。
(※1)NEDO・・・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
(New Energy and Industrial Technology Development Organization)の略称
(※2)商用周波数・・・乗車カードや電子マネーなどに用いられている周波数
(※3)RFID・・・電波による個体識別(Radio Frequency IDentification)の略
以上