JNCグループにおける各種事業活動の結果、大気および水質に排出される廃棄物の管理は、レスポンシブル・ケア基本理念に掲げている「地球環境の保全」の観点で重要な要素であると考えています。日常のモニタリングと合わせて、徹底した排出管理の下、環境負荷低減に努めています。
環境パフォーマンスの推移
大気への排出量は、2001年度と比較して硫黄酸化物(SOx)が82.1%、窒素酸化物(NOx)が85.9%、ばいじんが91.5%の削減となりました。
大気への排出
水域への排出量は、2001年度と比較してCOD(化学的酸素要求量)が79.2%、全窒素が84.5%、全りんが72.3%の削減になりました。
水域への排出
最近5年間においても2001年度を上回ることなく維持しており、排出管理の機能が安定していることが確認できます。また、2024年度よりJNCグループの生産拠点について、水リスク評価を開始しました。WRI(世界資源研究所)のAqueduct Water Risk Atlasを用いて評価を行い、Overall Water Risk(総合水リスク)が「High」である地域を水リスクがある地域として定義し、水リスクの種類(水ストレス、水枯渇、洪水リスク等)を特定することとしました。水リスクが確認された地域の生産拠点については、生産拠点毎にリスク対応要否を判断することを定めていますが、2024年度は全ての国内生産拠点において水リスクがないことを確認しています。 今後とも水域、大気ともに継続して排出量削減を図ってまいります。
各事業場より発生する産業廃棄物
2024年度は国内事業場で15,577トン、海外事業場で1,304トンの産業廃棄物が発生しました。各事業場では産業廃棄物の削減や分別徹底、廃棄物処理業者の選定等による活動を展開しています。再資源化率においては、海外事業場は95.2%で目標(海外92%以上)を達成しました。国内事業場は63.3%で、生産量が少なかったことに起因して再資源化の対象物が減少し、目標(国内67%以上)を達成出来ませんでした。埋立率においては、国内事業場は設備解体によって廃棄物が通常よりも多く発生したため埋立率は0.30%と増加となり、残念ながら目標(0.2%以下)を達成できませんでした。海外事業場は中国の埋立ゼロ政策が大きく起因して0.02%となり、目標(0.3%以下)を大幅に達成しました。今後も引き続いて産業廃棄物量、最終処分(埋立)量の削減および再資源化率の向上に努めてまいります。
国内事業場の産業廃棄物発生量
国内事業場の産業廃棄物処理内容
PRTR法対象物質排出量
JNCグループでは、PRTR対象物質排出量削減を重点課題と位置付け、設備改善等により排出量削減に取り組んでいます。
2024年度に見直されたPRTR対象物質(515物質)に対応し、調査を実施しました。
環境への排出があった対象物質は15物質でした。2021年度に、ポリプロピレン製造プロセスの製法転換を実施した効果によりn-ヘキサン取扱量の減少を実施し、2024年度もその効果を維持している状況ですが、排出量は対前年度微増となりました。排出量が大きい物質(年間1トン以上)についても実績を示しました。
各事業場の活動状況は、技術本部担当役員をリーダーとしたRC監査実施時に現地で確認し、それぞれの事業場への活動支援や他事業場への水平展開などにも取り組んでいます。
PRTR法対象物質排出量
PRTR法対象物質排出量
(1トン/年以上の物質名を表示)
サステナビリティ
レポート2025






