2022年入社式 社長 山田敬三 祝辞

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本日4月1日、入社式が執り行われ、社長 山田敬三が祝辞を述べました。その内容を発表します。

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 新入社員の皆さん、JNCグループへの入社、おめでとうございます。
 今年もこうして新しい仲間を迎え入れることができて、非常に嬉しく思っています。また、皆さんにとって一生に一度となる門出の日に私たちも同席できたことを心から感謝しています。今は期待と不安が交錯していると思いますが、胸を張って若者らしく新社会人としての第一歩を踏み出してください。

 この2年間は新型コロナウイルスに悩まされ、皆さんも悔しい思いや焦ったりしたことと思います。しかし、歴史が教えてくれているように、大きな混乱が起こった後は必ず新しい時代がやって来ます。感染症に怯えながら終息を待つのではなく、来たるべき新しい時代への準備を今から私たちと一緒に始めていきましょう。

 JNCグループは1906年に曾木電気株式会社からスタートして、116年の歴史を刻んできたわけですが、その歩みは順風のときもあれば苦難のときもありました。ただ、変わらないことは、いつの時代も新しい扉を開いてきたのは、使命感に燃え、挑戦を続けた素晴らしい社員たちだということです。その伝統は令和になった今も受け継がれておりますので、今日からJNCグループの一員となった皆さんにも、この伝統を引き継いでもらえるように、しっかりとサポートしていきますので、安心して、まずは目の前の仕事に打ち込んでもらいたいと思います。

 次に私たちを取巻く社会情勢について少しお話をします。この1か月のウクライナ情勢は皆さんもご承知のことと思いますが、結果、世界経済は物流やエネルギー、そして金融のネットワークが分断され、経済活動も著しく混乱しています。また、大規模なサイバー攻撃も同時多発的に起こり、不安定な状況が続きそうです。
 この状況は約50年前の第1次オイルショックのときと酷似しており、原油高や円安による狂乱物価の再来が心配されます。

 幸いにもデジタル技術の進歩は目覚ましく、産業界ではデジタルトランスフォーメーションの活用によって今までとは次元の異なる研究開発や生産活動を生み出せる可能性が高まってきました。例えば住宅設備のスマート化は、すでに実現していますし、近い将来、化学プラントでさえも心臓部がコンパクトになり、スマートフォンによって安全に運転できる未来が来るかもしれません。もし実現すれば、働き方も根本から変わることが期待されます。
 また、世界ではSDGsやカーボンニュートラルといった社会課題が注目を集めています。日々の暮らしの基盤である地球環境を守ることは自然であり、半世紀以上前から危惧されていた課題の解決にようやく取組む姿勢が示されたと歓迎すべきことでしょう。

 このように産業界は従来とは異なるスケールとスピードで変化しており、パラダイムシフトが加速しています。今後、自ら進んで学習する組織かどうか、そして、その成果を社会共通の利益とすることが出来るかどうかが問われます。また、スキルの再構築が年齢に関係なくすべての人に求められており、誰でも大きく飛躍できるときを迎えているとも言えるかもしれません。
 JNCグループも、この変化に対応するために、若手の抜擢や新組織の設立を進めている真最中です。

 3つ目は皆さんが元気に活躍するために心掛けておいてほしいことです。
 そもそも仕事で活躍するとはどういうことでしょうか。それは成果を生み出して職場の成長に貢献することに他なりません。皆さんは就職するに当たり、「自分を成長させてくれる会社」を重要視したと思いますし、大切なポイントです。ただ、これだけでは学校を卒業した社会人の姿勢としては受け身であり、海外の新入社員と比較されると印象が弱まり、自分の本当の価値を下げてしまうかもしれません。

 会社は「自分を育ててもらう場所」という側面と「自分の価値を提供して、新しい価値を創り出す場所」という側面があり、表裏一体の関係です。
会社はお金を稼いだり、地域や社会を良くしたり、今まで出来なかったことを実現したりするために存在しており、その活動を通して各個人は様々なスキルや人脈を獲得できます。
 社内では、初期段階での失敗は当たり前で誰からも責められることはなく、より早く失敗要因を見つけ出し、その情報を全員で共有して、いち早く成功に到達できるように一連のプロセスを回します。現実の体験やデジタルの各手法を駆使して、このプロセスを経験することで社員の成長が促され、成長できた社員が多ければ多いほど、会社の企業価値も自ずと向上していきます。

 職場を成長させることを念頭に置いて、失敗を経験しながらも挫けることなく仕事に取り組み、最終的に成功を掴むことを繰り返した人の方が結果的には自分のスキルが高まりますし、人間的な魅力も増して成長することができます。

 学校は先人たちが築いた過去の知識を学び、再現することに主眼が置かれ、紙の上の失敗は個人のものでネガティブに捉えがちであったかと思いますが、会社は、新たに得られた失敗情報を共有して、過去の知識を更新したり、ひらめきによって思い描いたイメージを加工したりして、常に価値ある未来を作っていくところです。そのことを心に留めておいてください。

 以上、JNCグループのことや私たちを取巻く状況、そして、心に留めておいて欲しいことをお話しましたが、仕事を進めていくと価値観や判断基準が異なり、意見が合わないこともあります。そんな時こそ冷静に意見交換を重ねることが重要です。

 自然界では温度差や濃度差といった異なる界面が接することで変化の推進力が生まれるように、私たちの人生も普段とは異なる新たな人物や意見との出会いによって劇的に発想が変わったり、停滞していた物事が動き始めたりすることがあります。意見の違いに戸惑いつつも、その違いを楽しむ心の余裕を持って、今日からお世話になる全ての人たちから学び、人生をより良い方向へ自ら導いて欲しいと思っています。

 最後になりましたが、本日、ここに集まっている同期の仲間は必ず特別な存在になります。皆さんがこの仲間と共に成長し、大活躍することでJNCグループに、さらなる発展をもたらしてくれることを期待しています。そして、今日のこの気持ちを忘れることなく、地域の発展や世界の課題を解決できる社会人になられんことを祈念しまして、お祝いのご挨拶といたします。
 皆さん、JNCグループへの入社、誠におめでとうございました。

                                      JNC株式会社 代表取締役社長
                                                山田 敬三


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