2020年入社式 社長 山田敬三 祝辞

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本日4月1日、入社式が執り行われ、社長 山田敬三が祝辞を述べました。その内容を発表します。

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 新入社員の皆さん、JNC株式会社への入社、おめでとうございます。                     
 皆さんを心から歓迎するとともに1日も早く活躍できる社会人に成長されることを願っています。今は期待と不安が交錯した気持ちかと思いますが、若者らしく新たな気持ちで一歩前に踏み出してもらいたいと思います。                                                                                       
 現在の世界経済は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、非常事態とも呼べる状況に陥っています。                                        我が国においても先週、東京における新型コロナウイルスの爆発的拡大の危険性が高まったことから、急遽、入社式を創業の地、水俣へ変更しました。皆さんにとっては突発的な計画変更で戸惑う気持ちもあると思いますが、先輩たちがしっかりフォローしてくれますので、安心して社会人としての第一歩を力強く踏み出してください。私からの祝辞として三つお話をさせていただきます。

Ⅰ.社会人としての基礎力について
 2006年に経済産業省から「社会人基礎力」というものが発表されました。                                                          
 高校までの教育は学んだ知識を効率よく正確に記憶し、ミスすることなく良い成績を取ることで評価されます。大学に入学しても、教養課程では答えのある問いに解答する訓練が続きます。研究室に配属されて初めて、課題形成力や問題解決力、観察力、実行力を発揮しなければならない環境になります。しかし、例えば潜在的な危険性を予知する力やストレスの発生源に対応するスキルなどは学校教育では取り上げることがほとんどなく、各自の経験頼みになっているのが現実でしょう。つまり知識だけで一人前の社会人として活躍することは無理です。
 特別な才能を持っている人は別ですが、通常は基礎となる土台があって、その上に職場で要求される能力を積み上げ、期待される専門分野のスキルを磨いていかなければなりません。そして、さらに知恵を絞り、周囲を巻き込むことで、ようやく価値を創造する仕事ができるようになります。                                                       
 完璧に身に着ける必要はありませんので、最低水準を自分の目標と決めて社会人としてスタートしてください。

Ⅱ.「約束の本当の意味」について
 記憶が曖昧なので不確かな部分もありますが、「暮しの手帖」の前編集長である松浦弥太郎さんのエッセイの中にあったお話を紹介します。
 例えば「月曜日までに報告書を出す。」と約束したとき、皆さんならどのように行動するでしょうか。学生時代であれば、月曜日の夕方ギリギリに間に合わせの報告書を何とか書き上げ、先生に提出して「やれやれ」と安心していたのではないでしょうか。約束を締め切りや期限と捉えてしまえば、その日のうちに決められたことを果たせばいいとなりますが、相手のことを何も考えていないことは明白です。
 約束の目的は期限を守ることではありません。約束とは人を喜ばせることであり、その人が喜ぶとは、その人の役に立つことに他なりません。
 相手が月曜日中に報告書を必要とするならば、午前中に、しかもクオリティーの高いものを提出する。これが相手の役に立つこと、約束を守ることになります。締め切りを守るというだけでは「やらされ感」がありますが、相手を喜ばせる約束であれば行動自体も「自分発」とならざるを得ず、結果も自ずと違ったものになります。
 報告書一枚でも、たった一枚のメモであったとしても、どうすれば相手が喜ぶかを考えることで、仕事は円滑に進むでしょうし、笑顔が生まれ職場の雰囲気もグッと和むのではないでしょうか。
 「約束は相手を喜ばせること」と覚えておいてください。

Ⅲ.重役は無理かもしれないけれど部長には必ずなれるという秘訣
 これは「経営の神様」と言われた松下幸之助さんの講演にあったお話です。それは入社第一日目に会社から宿舎や家に帰った時にご家族に会社の印象をどのように報告するか、というところから始まります。
 「あまり良さそうな会社じゃない。」と言えばご家族は非常に心配します。「まだよく分からない。」と言っても、やはり不安が残るでしょう。しかし、「なんとなくいい会社のように思う。ここで頑張ってみたい。」と力強い言葉で報告したら、ご家族も喜び、安心すると思います。そういう報告ができるかどうかが成功への第一関門です。
 なんでもないことのようですが、そういうことが言えない人は成功しにくいと思います。「しっかりやろう」という心意気をまず言葉に出すことです。
 その人の言動によって会社のいい印象が残るわけです。それが人から人へ伝わり会社の評価が高まり、業績を伸ばすことにもつながります。世の中というものは、そういったところがあります。ところが、こういう簡単なことができない人が実は多い。「うちの会社はおもしろくない。」と不平不満を漏らす人はたくさんいても、「うちの会社は非常にいい会社です。」と言える人はとても少ないと思います。不平不満に終始する姿からは建設的なものは決して生まれません。
 会社を褒めるという態度で毎日を過ごし、そうなるように努力する人はどこの会社からも求められており、必ず注目されます。とすれば、こんな人を部長にせずして誰を部長にするのでしょうか。是非、今日から実行してみてください。

Ⅳ.最後に
 今日まで皆さんを育ててくれたすべての人に感謝する気持ちを持ち続けてください。そして、今後皆さんが過ごすJNC株式会社の歴史を学びながら、今からお世話になる人たちに感謝の気持ちを持って毎日の業務に励んでください。
 同期の仲間を大切にすることも忘れてはなりません。同期全員で一緒に成長していってくれることを、そして、JNC株式会社を通して社会に貢献できる人材になってくれることを心からお願いして祝辞といたします。
 皆さん、本日は入社、本当におめでとうございます。                                                                                                                                                             

                                                 以 上