2017年 社長年頭挨拶

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 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 本朝の年頭祝賀会における
当社社長 後藤泰行の2017年 年頭挨拶は下記のとおりです。

 皆さま、あけましておめでとうございます。今年は酉年です。鳥は人に時を知らせる動物です。また「とり」は「とりこむ」と言われ、商売などでは縁起の良い干支のようです。私は元旦に、近くにあります稲毛浅間神社をお参りし、JNCグループの社業発展と各工場の安全運転の祈願を行ってまいりました。本年は中期経営計画の2年目になる極めて重要な年であり、当社にとって飛躍のためのターニングポイントの年となりますようにと、ただただ願うばかりです。

 6日間の休みで、気候的にも比較的に暖かく過ごしやすかったように感じましたが、皆さまいかが過ごされましたでしょうか。今日は硬い話ではなく、ある小説の話を少しさせていただきます。

 年末に近所の本屋の入り口近くに「四月になれば彼女は」(文藝春秋)というタイトルの本が積んであるのが目に入り、ある古い映画の挿入歌であった、同タイトルのサイモン&ガーファンクルの歌を瞬間的に思い出し、その本を購入しました。著者は川村元気さんという若い方で、昨年約200億円の興行収入があったと言われている長編アニメーション映画「君の名は。」のプロデューサーの方です。この著者も、やはりサイモン&ガーファンクルの「四月になれば彼女は」の歌に興味を持たれ、この歌を題材にして小説を書かれたようです。

 ジャンルが恋愛小説で手軽に読めるであろうと思いきや、内容が重く響き過ぎて、婚約者の妹と主人公のエピソードがなければ、途中で読めなくなるところでした。彼の小説はかなり真剣な恋愛論、死生観が盛り込まれており、また人生哲学が深く重く反映された言葉が多く、小説の形でそれを述べているかのような印象を持ちました。今日は時間がありませんので、あらすじ等は紹介できませんが、小説の中には考えさせられる言葉がたくさん散りばめられています。

 彼はこの小説で"時代の空気をつかむ"ために必要なことは何かということを問うています。人間相手の世界において、例えば男女の恋愛もそうですが、目的が成就するためには双方の興味が等しく重なる必要があります。彼は人間の世界ではそのタイミングはほんの一瞬と書き示し、それをたとえて「日食」という印象的な表現を用いています。

 

 こじつけかもしれませんが、私たちの仕事に通じるものがあると思います。これまで私は、いろいろなタイミングで、今後のビジネスは「顧客目線」、「顧客にもっと近い位置で」ということを申し上げてきました。供給側と顧客側の関係は、ある意味では男女の関係と同じかもしれません。競争が激しい世の中において、両社が同じ興味と価値観を持って遭遇できるチャンスは極めて少ないのです。

 昨年の年頭にも申し上げたことは、業務遂行で重要なのは「ビジネス機会を感知する力」を持つ、ということです。業務遂行には両社(者)が接近できるチャンスを感知し得る力が必要で、そのための不断の努力が必要であるということです。中期経営計画の目標達成のため、全社員が共有できるようなスタンダードキーワード「SST(※)」を作り、社内報等で紹介しました。この最初に「S」があります。ビジネス機会を感知する力を「Sensing」というキーワードで表し紹介しました。

 皆さまもチャンスがあればこの本を読まれてはいかがでしょうか。少し骨が折れるかもしれませんが、いろいろな切り口で、それぞれの立場で、何か得られるものがあるような気がします。

(※)行動指針「SST」

ensing:ビジネス機会を感知する力

eizing:ビジネスチャンスを捉えて、既存の資源、ルーティン、知識をさまざまなかたちで応用し、

      デザインする力

ransforming:新しい競争優位を確立するために組織内外の既存の資源や組織を再配置し、

           変革する力

以上