セルファインTMSPA-HC新製品
抗体医薬の精製にはプロテインAをリガンドとした担体が第一段階の精製として選択されています。
このステップでは細胞培養後の培養上清を大量に精製する必要があるため、以下の特性を備える充填剤を選択することが重要です。
- ① 高流速で高吸着になる高い動的吸着性能
- ② 高流速で通液できる耐圧性
- ③ 繰り返し使用性
セルファインSPA-HCは独自の架橋方法によって耐圧性を大幅に向上した多孔質セルロース粒子に、アルカリ耐性プロテインAを固定化した繰り返し使用性の高い充填剤です。
40年の業界経験を通じて得られた独自の粒子製造技術で、高流速で高い吸着性能を実現しました。
実際の製造スケールを想定した充填剤として設計していますので、既存設備を活用しながら、リードタイムの短縮を実現することができます。
仕様 | |
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リガンド | アルカリ耐性プロテインA |
担体 | 高架橋セルロース粒子 |
平均粒径 | 70um |
使用流速 | ≧650 cm/h (0.3 Mpa時) 内径30 cm-ベッド高さ20 cm、純水24 ℃で計測 |
動的吸着量(DBC) | ≧ 70 mg /ml (C10with Polyclonal IgG) 滞留時間6分でのロードで10%ブレークスルーポイント時の計測 |
推奨CIP 溶液 | 0.1 M NaOH |
操作時の温度 | 4 - 50 ℃ |
保管温度 | 2 - 8 ℃ in 20 % ethanol |
化学安定性 | 1週間の浸漬試験で吸着量に劣化は見られなかった。 30 %イソプロパノール、20 – 70 %エタノール、8 M尿素、6 Mグアニジン塩酸塩、0.1 M酢酸 |
pH安定性 | 3-12 |
アルカリ耐性の高いプロテインAクロマトグラフィー充填剤です。
実際の製造スケールで使用しているカラムを使用することができるように、粒子径を最適化しました。この結果、壁効果が見られなくなる内径30cmカラムを使用してもベッド高さを20cmの充填が可能です。モノクローナル抗体を用いた吸着試験の結果滞留時間は2分~6分で50mg/ml~75mg/mlの高吸着性能を実現しました。
特徴Features
セルファインSPA-HCは独自の架橋方法によって耐圧性を大幅に向上した多孔質セルロース粒子に、アルカリ耐性プロテインAを固定化した繰り返し使用性の高い充填剤です。
粒子製造の最適化技術で、高流速で高い吸着性能を実現しました。実際の製造スケールを想定した担体設計のため、既存設備を活用しながら、リードタイムの短縮を実現することができます。
優れた動的吸着量Excellent dynamic binding capacity
Cellufine SPA-HCは粒子径を最適化したことで、短い滞留時間においても優れた動的吸着量を実現しました。滞留時間2分において50mg/mL以上の優れた吸着性能を得ることができます。高流速・高吸着量の特徴をもつため、プロテインAによるキャプチャー工程において大幅なリードタイムの短縮が可能となります。

高い耐圧性と通液性Low back pressure at high flow rate
Cellufine SPA-HCは独自の架橋技術によって低圧で高流速を通液することができます。Fig.2では、パイロットスケールでのカラム(内径10 cm カラムでベッド高20cm)における線速と圧力の関係を示しています。0.3MPaの操作圧では、滞留時間2.4分の流速で通液することができます。このときのモノクローナル抗体の吸着量は50mg/mLとなりました。一般的に使用される流速域の滞留時間6分ではモノクローナル抗体の吸着量は72mg/mLでした。このときの圧力はわずか0.07MPaです。

抗体の種類に依存しない堅牢性の高いパフォーマンスRobust performance not depend the sort of monoclonal antibody
Cellufine
SPA-HCは抗体の種類に依存せず優れた吸着性能を得ることができます。Fig.3で見られるように、異なるモノクローナル抗体を用いても、高い吸着性能を維持しました。
堅牢性の高いCellufine
SPA-HCを用いることでダウンストリーム開発において、余計な精製開発コストや開発期間を短縮することができます。

優れた繰り返し使用性Excellent reusability
ベースとなる基材には酸・アルカリ条件に高い耐性を示す天然多糖のセルロースを用いています。さらにアルカリ耐性の高い組み換えプロテインAを固定化することで優れたアルカリ耐性を示しています。0.1Mの水酸化ナトリウムをCIP溶液として用いた場合、15分の暴露時間で150サイクルを通液しても活性は95%を維持しました。

This figure shows remaining dynamic binding capacity as a ratio. 10 % breakthrough DBC was 76 mg/mL at the first time. After 150 cycle alkaline attachment, DBC changed 72 mg/mL adsorption. It means that 95% activity was remaining after this study finished.
- セルファインTMSPA-HC