開発中製品情報

セルファインTM MAX AminoButyl

近年、複雑な構造をもつ生体高分子の分離・精製に、リガンドとして異なる性質を有すミックスモード型分離剤が注目されています。 セルファインMAX AminoButyl は疎水基であるブチル基とイオン交換基となる一級アミンをリガンドに持つセルファインで、特に、疎水性の強いウイルス様粒子(Virus like particles)の分離・精製用に設計されています。

リガンド構造をFig.1に示します。

Cellufine MAX AminoButyl
Fig.1.セルファインMAX AminoButylのリガンド構造

セルファインMAX AminoButylの規格と特徴をTable 1および2に示します。

項目
N含量 (μmol/ml) 20 - 33
溶出体積 (ml)
 α-キモトリプシノーゲン A (疎水モード)
 ペプシン (イオン交換モード)

12.0 - 17.0
12.0 - 17.0
異形粒子 (%) < 5

Table 1セルファインMAX AminoButylの規格

ベース基材 高度架橋セルロース粒子
粒子径 90μm (40 – 130 μm)
リガンド ブチル基 + 一級アミノ基
2M (NH4)2SO4条件下での吸着着特性(1) α-キモトリプシノーゲン A; +
リボヌクレアーゼ A; -
リゾチーム; -
20 mM Tris-HCl (pH7.5) 条件下での吸着着特性(2) トランスフェリン; -
BSA; +
ペプシン; +

+; adsorption, -; no adsorption

Table 2セルファインMAX AminoButylの特徴

ベース担体は高度に架橋されたセルロース粒子であるため、セルファインMAX AminoButylはFig.2のように優れた流動特性を示します。

Pressure flow curve of Cellufine MAX AminoButyl
Fig.2セルファインMAX AminoButylの流速特性
条件; カラム; 2.2 cm ID x 20 cm, 移動相; 純水 (24±1℃)

セルファイン™ MAX AminoButylの使用事例

セルファインMAX AminoButylを用いた酵母からのr-HBsAg(組換えB型肝炎表面抗原)VLPの精製

部分的に精製されたr-HBsAgVLP溶液をセルファインMAX AminoButylカラム(16 mm I.D. x 500 mm H)にロードし、カラムを20 mMリン酸緩衝液(pH 7.0)で十分に洗浄しました。 最初は、0.1%Triton Xを含むリン酸緩衝液(pH 7.0)を溶出液として使用しました(溶出1)。 次に、分子を2 M NaClで溶出しました(溶出2)。 各画分を回収して分析しました。

下の図は、セルファインMAX AminoButylによるr-HBsAgVLPの精製のクロマトグラムを示しています。 r-HBsAgVLPはELISAによって検出しました。

Application of Cellufine™ MAX AminoButyl
VLP タンパク質
nU % ug %
サンプルロード 4,260 100 2,320 100
フロースルー 480 11 350 13
溶出 1 2,060 48 770 30
溶出 2 172 4 1,190 46

クロマトグラフィー後の評価

ほとんどのr-HBsAgは溶出1画分で溶出されました。タンパク質分析の結果から、界面活性剤を使用した溶出1でr-HBsAgが濃縮されたことをがわかりました。 この結果から、セルファインMAX AminoButylがVLPの精製に有用であることがわかります。

化学安定性および定置洗浄

セルロースは、化学的および物理的安定性を備えた天然物としてよく知られています。 セルフィンはセルロース粒子ですので、化学薬品やアルカリ性溶液および酸性溶液に対しても安定しています。 殆どのセルファイン充填剤の定置洗浄は、0.5 M NaOH溶液で実行できます。 使用後の充填剤は、洗浄後、2〜25℃で20%エタノールに保存する必要があります。

カスタマイズ・特注品の開発も
可能です。

お客様のご要望に応じたグレードの開発も承りますのでご相談ください。

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