MC-Media Padを使用した食品検査方法


各種検査方法


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MC-Media Padを使った食品検査手順
 

検査の意義


 食品の衛生検査では、混入している菌種や菌数を評価することが重要です。食品衛生法では食品ごとの検査項目を設けています。食品衛生法に該当しない食品もありますが、必要に応じて検査規格を設定してください。
 食品の衛生管理を評価する上で、一般生菌は重要な衛生指標菌です。食中毒菌だけではなく、一般生菌の検査も同時に行うことを推奨します。一般生菌の定義は、標準寒天培地を用いて、35℃の好気的条件下、48時間培養後に発育が認められる菌です。 一般生菌数を検査することにより、菌が増殖しやすい環境(水分、温度、汚れ等)にあるかどうかの指標となります。一般生菌数が多い環境は食中毒菌も増殖しやすい環境であり、環境改善が求められます。


検査概要
1) 食品の均質化 2) 検体の希釈とMC-Media Padへの添加
3) 培養 4) コロニーの測定と菌数の計算

検査方法


1) MC-Media Padカバーフィルムの上部に検査日時、検体番号、希釈倍率を記入します。


MC-Media Padを用いた食品検査方法:測定前準備


2) 10倍希釈液を作ります。


MC-Media Padを用いた食品検査:検体の希釈方法


3) 10倍希釈液をMC-Media Padに添加します。


MC-Media Padを用いた食品検査法:試料の添加


4) 100倍希釈液を作り、MC-Media Padに添加します。


MC-Media Padを用いた食品検査法:100倍希釈液の添加


5) 1000倍希釈液を作り、MC-Media Padに添加します。


MC-Media Padを用いた食品検査法:1000倍希釈液の添加


6) MC-Media Padを培養器に入れ、各製品の指定温度及び時間で培養します。


MC-Media Padを用いた食品検査法:培養


7) 培養器からMC-Media Padを取り出し、各製品の判定方法に従って、コロニー数を測定します。コロニー数が測定範囲を超える場合は、より希釈した試料での結果を採用し、測定範囲内に収まるようにしてください。



8) コロニー数と希釈倍率から、食品中に含まれる菌数を計算します。単位は「cfu/g」または、「個/g」です。


 ・10倍希釈液の場合:菌数=コロニー数×10
 ・100倍希釈液の場合:菌数=コロニー数×100
 ・1000倍希釈液の場合:菌数=コロニー数×1000

    


注意)
 MC-Media Pad CC・EC・SA・サルモネラは、非加熱食品の試験でパッド全面が発色することがあります。これは食品に含まれる酵素によって、コロニー発色剤が反応しているためです。 この場合、培養を始めてから短時間(2時間頃から)で発色してきます。コロニーの判定が困難な場合、食品検体をより希釈して、酵素の影響を低減することを推奨します。最適な希釈倍率は食品によって異なりますので、検査する食品に適切な希釈倍率を確認してください。

 検体が著しい酸性または塩基性の場合、菌の発育または発色が不良になり、正確な菌数が測定できないことがあります。水酸化ナトリウム水溶液や塩酸を加えて、検体のpHを中性域にしてください。
 検体の塩濃度が高い場合、菌の発育が不良になり、正確な菌数が測定できないことがあります。希釈して塩濃度を下げてください。
 寒天培地と異なり、MC-Media Padでは培地による希釈が起きません。検体のpHや塩濃度の影響を、MC-Media Padは寒天培地より受けやすいことにご注意ください。