化粧品原料用セルロース微粒子
セルフロー™ C-25

親水性の真球状セルロース微粒子パウダーです。
水分の吸収性が高く、親水性に富む特長を持ちます。
優れた滑り性、風合いを持つため、ファンデーション、美容液、口紅、乳液などで好適に使用できます。
表示成分名はセルロースです。INCI名はCelluloseとなります。

セルフロー™の外観

真球状のセルロース粒子

  • 軽くて、なめらか。さらさらした風合いを有しており、肌によくなじみます。

独自技術による
ユニークなスポンジ構造

  • 吸着させた成分の徐放性や、通気性が期待できます
  • 水分や油分を吸収して膨潤することで、粧剤に独特の感触を付与します

セルフロー™ C-25の表面

セルフローの表面

セルフロー™ C-25の断面

セルフローの断面

セルフロー™ C-25の粒度分布

セルフロー™ C-25は真球状で均一な粒度分布を示します。
このため滑り性が高く、ファンデーションなどの処方で優れた伸び性を示します。

セルフロー C-25の粒度分布
平均粒子径 : 8-12μm比表面積 : 9.7m2/g

セルフロー™ C-25の
吸水性・吸油性

セルフロー™は独自技術によるユニークなスポンジ構造を持っています。この構造は市販の微粒子には見られない構造です。セルフロー™ C-25は親水性ですが、独自のスポンジ構造によって、吸油性も示します。このため優れた吸水性と吸油性を兼ね備えた微粒子です。

セルフロー™の吸水量

セルフローの吸水量
微粒子1gを水1L中で24時間攪拌した後の含水重量と乾燥重量の比を吸湿量(g/g)とした。

セルフロー™の吸油量

セルフローの吸水量
微粒子1gにアマニ油をビュレットで滴下しながらスパ―テルで練り合わせる。粉末同士がくっつきあって塊となり、螺旋状に練り上げられる状態になった時点の滴下量を測定。

セルフロー™ C-25の
吸湿性・放湿性

セルフロー™は多孔質のセルロース微粒子パウダーです。このため優れた吸湿性と放湿性を示します。特に親水性の高いセルフロー™ C-25は吸湿性が高く、多くの水分を担持させることができます。

セルフローの吸水量

25℃、湿度80%における吸湿性

測定方法

  1. 微粒子を60℃・減圧下で一晩乾燥。
  2. 減圧解除後、直ちに秤量瓶の重量を測定し、乾燥重量とする。
  3. 温度25℃・相対湿度80%に設定されたデシケーター中に入れ、重量の経時変化を測定。
セルフローの吸水量

25℃、湿度25%における放湿性

測定方法

  1. 温度25℃湿度80%の条件で2日以上放置後、重量を測定する。
  2. 秤量瓶の蓋を開けた状態で、温度25℃相対湿度25%に設定されたデシケーター中に入れ、重量の経時変化を測定。


セルフローの重量変化(吸湿時)

周囲の環境に合わせた吸湿性・放湿性

呼吸するように周囲の湿度に合わせます。

セルフロー™ C-25は高い親水性のため周囲の湿気を吸収し重量が増加します。左図は湿度25~80%の各湿度環境下にセルフロー™を置いた場合の重量変化のデータです。 セルフロー™を高湿度下に静置すると高い吸湿性を示し、低湿度下では重量があまり変化しません。

例えば毛穴から出てくる汗の量に従って、セルフロー™ C-25は汗を吸湿してくれます。このためいつまでも皮脂による化粧崩れを防止してくれる効果を発揮します。

セルフローの重量変化(放湿時)

左図はセルフロー™ C-25を湿度80%の環境下で十分吸湿させた後、25、60%の湿度環境下に静置したデータです。 各湿度下に静置するとセルフロー™の重量が下がりました。そのため周囲の湿度環境下に合わせ、放湿していることがわかります。

セルフロー™ C-25の
水溶性色素の徐放性

セルフロー™ C-25は親水性の高いセルロース微粒子パウダーです。このためセルロース粒子内部に取り込まれた水溶性色素を緩やかに放出する徐放性を持っています。この特徴は水酸基の多いセルロース基材ならではの特徴となります。

測定方法

  1. 各微粒子0.5gをそれぞれ100mlビーカーに計りとる。
  2. 各ビーカーに1%色素溶液(トリパンブルー)50mlを加え、1時間攪拌して色素を吸着。
  3. フィルターろ過により色素溶液を除く。
  4. 各微粒子を80℃のドライヒーターで2時間乾燥させる。
  5. 乾燥した微粒子0.4gを遠心管に入れ、水を5ml加える。
  6. 微粒子を水全体に均一に分散させたのち、室温で30分間振とうする。
  7. 5000rpm5分間遠心分離し、上清を別の試験管に移す。
  8. 上記と同様にして30分ごとに水を交換する。
  9. 各溶出液の吸光度を測定し、検量線より色素濃度を求める。
セルフロー C-25の粒度分布
1セルフロー™C252薬局方結晶性セルロース末3セルフロー™ TA254アルギン酸カルシウム5アクリルビーズ6ナイロンビーズ

ファンデーションへの処方で高いカバー力を実現

セルフロー™ C-25は独自のスポンジ構造によって優れた光学特性を示します。スポンジ構造によって光は粒子内部で高度に散乱します。 このため、ファンデーションに処方することで、シワ・クスミ・毛穴を隠す高いカバー力を付与することができます。
  セルフロー™ C-25のスポンジ構造は油分を吸収する特徴があります。皮脂のような油分は、化粧くずれの原因となります。 セルフロー™ C-25は独自のスポンジ構造によって化粧くずれの原因となる皮脂を好適に吸収します。この特徴によって、化粧くずれを抑えることができます。   これらの特徴からセルフロー™ C-25をファンデーションに処方することで、高いカバー力ロングラスティング効果を付与することができます。


*本検討は近畿大学 生物理工学部 鈴木 高広 教授よりご提供頂きました。

参考文献:Cosmetic Stage,15(2),15-22,2020

油剤によるファンデーションの明度L*の変化

セルフローC-25のファンで―ション処方でのカバー力(明度の変化)

クスミを隠す優れたカバー力

皮脂の影響を確認するために、流動パラフィンを10%添加して、油剤添加前後でのカバー力を評価しました。 明度L*は色の明るさを表す指標です。カバー力(L*)が1に近づくほど、白地(肌色)と黒地(クスミ部分)の明度の差が無くなります。 つまりクスミを隠すカバー力があることを示します。セルフローC-25は油剤(皮脂のモデル物質)があってもカバー力は変化しませんでした。 セルフローC-25は皮脂による化粧くずれを抑える特徴があります。


測定方法

  1. ファンデーションの準備
     ・乾燥品:市販ファンデーションにセルフローC-25を10%処方
     ・油剤濡れ品:乾燥品に10%流動パラフィンを添加

     *微粒子未添加のファンデーションをブランクとします。
  2. 透明プラスチックシートに両面テープ(3cm×3cm)を貼付し、テープ面に10mgになるようにサンプルを塗布します。
  3. 白黒2枚の紙を用意し、上にサンプルを載せます
  4. 色差計で色紙の白地と黒地の部位ごとに明度L*を測定します。
  5. カバー力(L*)は以下の計算式で算出します。

     カバー力(L*) =黒地L*/白地L*

油剤によるファンデーションの彩度C*の変化

セルフローC-25のファンで―ション処方でのカバー力(彩度の変化)

皮脂が出ても変化しない鮮やかな色合い

彩度C*は色の鮮やかさを表す指標です。セルフロー™ C-25は油剤があっても彩度を維持しています。 ファンデーションは皮脂によって色が変化していき、クスミを隠すカバー力が無くなってきます。 セルフロー™ C-25を添加することで、長時間にわたって鮮やかな色彩を保持することができます。


測定方法

  1. 上記の方法でサンプルを用意します。
  2. 彩度は以下の様に計算します。

油剤によるファンデーションの光沢の変化

セルフローC-25のファンで―ション処方でのカバー力(光沢度の変化)

皮脂によるテカリを抑える機能

光沢度はファンデーションのテカリ感の指標となります。 皮脂が出てくると光学特性が変化してテカリが出てきます。 セルフロー™は皮脂が出てもテカリ感を抑えることができます。


測定方法

  1. 上記の方法でサンプルを用意します。
  2. 光沢度計で色紙の白地の部位を測定します。

ファンデーションの均一な塗布性を実現

セルフロー™ C-25をファンデーションに配合させることで、均一な塗布性を実現できます。 肌が乾燥した状態だけでなく、皮脂に濡れた状態でも均一に塗布するユニークな特徴を持ちます。 これはセルフロー™C-25が多孔質構造を有するため、ファンデーションの凝集の原因となる皮脂を適度に吸収するためと考えられています。

*本データは近畿大学 生物理工学部 鈴木 高広 教授よりご提供頂きました。

測定方法

  1. ファンデーションの準備
     ・乾燥品:市販ファンデーションに微粒子を10%処方
     ・油剤濡れ品:乾燥品に10%流動パラフィンを添加

     *微粒子未添加のファンデーションをブランクとする。
  2. 透明なフィルムに粉体10%配合のファンデーションを塗布
  3. 色差計でフィルムの6か所の明るさ(L)を測定
  4. 明るさ(L)の分散を評価
    分散が低いほど均一な塗布性を示す
セルフロー C-25の粒度分布

ファンデーションの滑り性の改善に

セルフロー™ C-25をファンデーションに添加すると動摩擦係数が低下します。 このためファンデーションの滑り性の向上が期待できます。セルフロー™ C-25は多孔質構造のため適度に皮脂を吸収しますので、 皮脂に濡れた状態でも、ファンデーションの凝集は抑えられます。このメカニズムにより滑り性は維持されると考えられています。

*本データは近畿大学 生物理工学部 鈴木 高広 教授との共同研究の成果です。

参考文献:COSMETIC STAGE Vol.15, No.4 2021

測定方法

  1. ファンデーションの準備
     ・乾燥品:市販ファンデーションに微粒子を10%処方
     ・油剤濡れ品:乾燥品に10%流動パラフィンを添加

     *微粒子未添加のファンデーションをブランクとする。
  2. 基板面に各粒子10%配合のファンデーションを塗布
  3. 端子にファンデーションを塗布した基板を取り付け、動摩擦係数を測定
    微粒子無しのファンデーションより動摩擦係数が低い場合は滑り性は改善
セルフロー C-25の粒度分布

セルフロー™の高い安全性

セルフロー™は天然化合物であるセルロースの微粒子です。このため安全性の高い化粧品原料です。
シルクワーム(カイコ)を用いてセルフロー™を餌に混合して急性毒性を確認しました。 投与後、24時間、48時間で経過を確認したところ、いずれの検体も健康を維持していました。

セルフローの安全性試験

急性毒試験は動物実験の代替法として認知されているシルクワームを用いています。
本検討は株式会社 美健科学研究所(http://bikenkagaku.com/index.html )で評価しました。

  

セルフロー™の染色性

セルフロー™ C-25は鮮やかに染色できます

各々の粒子を染色させた後、染色液をろ過で除去し乾燥させました。セルフローtrade;は多孔質であり、多くの水酸基を有するため、色鮮やかに染めることができます。

酸性染料エリスロシン(赤3号)や反応性染料Procion red HE3Bのどちらで染色しても鮮やかな赤色に染色されていることがわかります。

セルフローの表面

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