NEW BUSINESS 新規事業への取り組み

有機フッ素化合物の規制に対応し、
環境に優しい新たなシリコーン化合物を提案

従来さまざまな産業で利用されてきた有機フッ素化合物は、環境汚染の懸念から規制強化が進んでいます。
その代替品が求められる中、JNCは撥水性や滑り性、
耐熱性に優れ有機フッ素化合物と類似の性質を持つシリコーン製品を世の中に提案します。
このシリコーン化合物は CO2 排出量削減が期待でき、
環境に配慮した製品として、社会の持続可能性に貢献します。

有機フッ素化合物(PFAS)規制

高い耐熱性や撥水・撥油性を持つ化合物群で、私たちの暮らしや産業などの様々な場面で活用されています。しかし、環境への残留性や健康への有害性が指摘されており、使用や排出に規制が進んでいます。現在、その代替素材として、同じく優れた特性を持ち、環境への負担が少ないシリコーン製品が注目されています。

事業環境・社会的な課題

  • 従来使われていた有機フッ素化合物の環境汚染・有害性の懸念
    従来使われていた有機フッ素化合物の
    環境汚染・有害性の懸念
  • 世界的な有機フッ素化合物の製造販売に対する規制
    世界的な有機フッ素化合物の
    製造販売に対する規制
  • 有機フッ素化合物の代替となる優れた物理特性を持つ新素材の需要
    有機フッ素化合物の代替となる優れた
    物理特性を持つ新素材の需要

プロジェクトの構成

業務部、営業部、開発部署、量産化部署が一体となったプロジェクトとして、部署や専門分野を越えた連携を行っています。規制情報、市場・お客様情報、新規開発・実験情報、量産化検討情報など様々な情報を統合することで、有機フッ素化合物から代替可能なシリコーン化合物を提案しています。すでに代替を考えているお客様に加えて、まだ代替を考えていないお客様にも提案し、積極的に環境負荷低減を推進しています。

業界の強みと今後の事業展開

シリコーン化合物は生体との相性が良く、医療・化粧品分野で安全に使用できます。また、耐熱性、耐候性、撥水・撥油性、電気絶縁性など多くの優れた特性を備えており、有機フッ素化合物の代替材料として新たな分野での活用が期待されています。JNC のシリコーン製品である「サイラプレーン ®」は自社水力発電による電力を用いて製造しています。

  • 優れた物理的・化学的特性を
    持つシリコーン製品
  • 医療用途や化粧品に使用可能な
    生体適合性と高い安全性
  • 製造過程で
    自社水力発電を活用
ディスプレイ・半導体

ディスプレイ・半導体

ディスプレイ表面の汚れ防止や、ディスプレイあるいは半導体の内部に形成された薄膜の性能向上のため、多くのコーティング材料が使用されています。それらの材料には有機フッ素化合物が含まれているため、シリコーン化合物に置き換えが進んでいます。また、人が直接触れる表面だけでなく、内部の素材もシリコーン製品へと切り替えられつつあるなど、その適用範囲は拡大しており、製品の安全性と環境への配慮が進んでいます。

自動車

自動車

自動車では、ボディーや窓ガラスの撥水・防汚のために多くのコーティング材料が使用されています。コーティング材料に使用されるフッ素化合物からシリコーン化合物への置き換えが進んでいます。JNC では、ガラス上にコーティングすることを考慮した新グレードの製品を開発するなど、さらなる性能向上を目指しています。

衣料品・包装紙

衣料品・包装紙

衣料品や包装紙の撥水・撥油処理にはこれまで有機フッ素化合物が使用されていましたが、直接人間の手や口に触れる部分の為、代替原料が求められています。JNCはより安全性が高いシリコーン製品を提案し、消費者が安心して使える製品作りに貢献します。