セシウム(安定同位体)の連続分離プロセスを開発

2012年02月20日

 JNC株式会社(本社:東京都千代田区、社長:森田美智男)は、セシウム汚染水を対象とした、セシウム(安定同位体)の連続分離プロセスを開発しました。

 昨年12月の発表においては、ラボスケールでのバッチ式分離技術でしたが、東日本大震災で被災した原子力発電所の汚染水処理を念頭に、それをさらに実用化に近づけ、ベンチスケールでセシウムの連続分離を可能としました。

 今回開発した技術は、セシウム汚染水にフェロシアン化物と塩化鉄を加え、弱アルカリ性とすることでセシウム結合磁性体を生成させ、これをドラム型磁気分離装置を主要機器としたシンプルなプロセスにより、セシウムを除去・回収するものです。 本技術の特長は、上記磁性体の除去・回収を、磁気を用いて遠隔操作で連続的に行うことで、大量かつ迅速な汚染水の処理と、廃棄物量の低減が可能なことにあります。

 セシウム濃度10~200ppmの水溶液20リットルを用いたベンチスケールの試験では、セシウム結合磁性体を生成させる反応時間は3分で終了し、1分間当たり4リットルの処理速度で汚染水から磁性体を磁気分離できました。本試験ではセシウムが99.5%以上除去され、廃棄物量を汚染水の200分の1の体積に減少させることに成功しました。本プロセスはスケールアップが容易であり、1時間当たり20m3のセシウム汚染水の処理が可能なプロセスも考案しております。

 本技術は幅広く応用が可能な技術です。例えば、原子力発電所の汚染水からセシウムを除去するケース以外でも放射能で汚染された土壌や瓦礫を洗浄した際に生じる汚染水等への応用が考えられます。

 今後は、東日本大震災により発生した汚染水処理のみならず、あらゆる放射性セシウム汚染水の処理やモニタリングに本技術を適用すべく、様々なスケールの試験機で実証実験を行い、実用化に向けた検討を継続してまいります。

【ドラム型磁気分離装置図】