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使用上の注意

  • 1. 公称ろ過精度と絶対ろ過精度について

    ろ過精度はかつて「絶対ろ過精度」あるいは「公称ろ過精度」などと呼ばれていましたが、現在一般的には単に「ろ過精度」と呼ばれています。
    ただし、カタログ等には「絶対ろ過精度」・「公称ろ過精度」と表記されているものもあります。
    表示される精度以上の粒子を100%除去すると思われがちですが、実際のろ過では100%や絶対ということはほとんどありえないと言ってよく、あくまでもそのメーカーでの評価法(テスト条件)における精度ということになります。

    絶対ろ過精度(アブソルート)表示の場合は一般的に粒子除去効率(%)あるいはβ値により表示されます。
    i. 公称ろ過精度(ノミナル)表示の場合はメーカーによって違う基準により決定されています。
    ii. 一般的・工業的に広く認められた定義はありません。
    メーカー・製品により違いますが、実際のろ過では表示された精度に対して、50 ~ 98%程度の除去効率になります。

    (日本液体清澄化技術工業会編 ユーザーのためのフィルターガイドブックより)

  • 2. プリーツタイプフィルターの親水化処理について

    ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなどの総称)、フッ素系樹脂などの疎水性樹脂を素材とするろ材を水、水溶液系薬品に使用する場合、事前に親水化処理の必要があります。
    ラインに取り付ける前に親水化処理をして下さい。
    (該当品種:CLEAL®ポーラスファインPTFE膜タイプ、PPタイプの内PF-006、PF-010)
    用意して頂くもの:
    カートリッジが入る清浄な容器。( アルコールに耐性のあるものPP袋やガラスなど)
    イソプロピルアルコール(IPA,2-propanol)濃度50%以上のもの。

    手順:
    1. 清浄な容器にIPAを入れ、カートリッジをゆっくりと浸していきます。
      この際、極力、O-リングがIPAに浸からないようにして下さい。(O-リング溝のIPA除去が難しいため)
    2. カートリッジが完全に浸かった時点で、カートリッジ内に残存する空気を追い出すように振動を与えます。
    3. ろ材とIPAをなじませるため、振動による気泡の発生が収まってから、数分間静置するのが好ましいです。
      その後、カートリッジを引き上げ、IPAが数滴ずつ落ちる程度になるまで待ちます。
      この際、IPAが乾燥しないように注意してください。
    4. カートリッジをハウジングにセットし、純水を流してIPAを除去します。
      流量5L/minで30L程度流すことをお奨めします。(最低でも5L程度の洗浄をお奨めします)

    注意:
    実施の際は、十分に安全対策(換気、保護手袋など)をして下さい。
    カートリッジが乾燥した場合、再び親水化処理する必要があります。

  • 3. 有機溶剤など、帯電性の液をろ過する場合の注意

    合成樹脂は導電性に乏しく、摩擦などで静電気を帯びやすい性質を持っています。有機溶剤などをろ過する場合、ハウジングからアースをとるようにしてください。
    注意:
    有機溶剤を流す場合、合成樹脂素材で配管等を施行することは、静電気火災の原因になります。

  • 4. フィルターの経年劣化について

    フィルターの劣化には薬品だけでなく、多くの条件(熱、光、圧力等)が影響を与えます。
    特に高温状態や酸化剤などを含んだ薬品をろ過すると劣化が促進されます。
    また、フィルター構成部材にポリエステル樹脂を使用した物は、酸・アルカリ・熱水で加水分解を起す可能性があります。
    長期間ご使用の場合は注意が必要です。必ずフィルターは定期的な交換を行ってください。

  • 5. 使用後のフィルター観察による、適切なろ過精度・ライフの確認

    フィルターを効果的に使用するためには、異物の性状(粒度分布・濃度)に対応したフィルターを選定することが必要です。
    使用後のフィルターを観察することは非常に重要なことです。

    フィルター画像

    フィルターが斑なく異物を捕集している場合が最も有効な使い方です。

    フィルター画像

    フィルターの外層のみが異物で閉塞し、内層がきれいな場合。
    フィルターの目が細かすぎ、表面ろ過になってデプスの効果が無く、ライフが短くなっています。
    フィルターを粗い品番の物に変更するか、前段に粗い品番のフィルターを追加し、多段ろ過を行うことが必要です。

    フィルター画像

    フィルターの内層が異物で閉塞し、外層がきれいな場合。
    フィルターの目が粗すぎる、もしくは異物の粒度分布が非常に狭い(単分散)状況です。
    フィルターの品番を細かい物にするか、もしくは単分散の異物の場合は表面積の大きいプリーツ型のフィルターに変更する必要があります。

    要求ろ過精度にあわせたフィルターの選定が大切ですが、フィルターのライフを有効的(経済的)に使用するためには、異物の粒度分布に応じて多段階のろ過をすることをお奨めします。
    (例)原液→ CLEAL®CPフィルター(粗粒子ろ過)→CLEAL®BMフィルター(微粒子ろ過)→CLEAL®ポーラスファイン(精密ろ過)→目的ろ過

  • 6. 適切なハウジングの選定について

    適切なハウジング流速について:フィルターハウジングを適切に使用するには、ハウジングノズル通過のろ過流速を0.5~2.5m/s以下に設定することが望ましいです。
    また低粘度水溶液の場合エレメントの初期差圧の設定は0.015MPa以下になるようにハウジングを設計して下さい。
    尚、ノズル流速は、下記の式で求められます。
    流速=流量÷管断面積
    ハウジングの選定について:必要なライン流量から、エレメント本数を選定します。低粘度水溶液の場合、各フィルターの「通水量-圧力損失図」から、エレメントの初期圧力損失が0.015MPa以下になるようにエレメント本数を選定してください。ただし、上記の「適切なハウジング流速」の範囲になるようにして下さい。高粘度液の場合は、過去の実例も考慮する必要があります。
    ※適切なハウジングの選定は、液種、ろ過条件を考慮する必要がありますので、弊社までお問い合わせください。

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  • 7. フィルターの取り付け方法・フィルターの形状について

    フィルターの端面形状はDOE(ダブルオープンエンド、上下開放型)とSOE(シングルオープンエンド、片方開放型)方式があります。

    フィルター画像

    DOEは両端部をエッジシールにてシールします。フィルターを装着した時にエッジシールが不完全ですと、シール部分からリークを起こし、フィルター本来の性能が発揮されず、適切なろ過が出来ません。
    ハウジングにDOEタイプのフィルターをエッジシールにて設置する場合、スプリング付きロケーター(エッジを形成した金具)を使用するタイプと、ボルト締結式ロケーターを使用するタイプに分かれます。
    DOEタイプのハウジングは、フィルターの膨潤・収縮(熱膨張、薬品による膨潤)やハウジング本体の熱膨張に追従させるために、バネを利用したスプリング付きロケーター方式のハウジングを推奨しています。
    なお、ボルト締結式ロケーターは、配管振動によるボルトの緩み、熱膨張・収縮時のシール追従性に難点があります。
    そのため、ボルト締結式ロケーターを長時間使用する場合、ろ過を中断しハウジングを開放して、ボルトを増し締めする必要があります。
    SOEタイプ(M3、E3、E7、M8)は開放部側エンドキャップにOリングが付いています。
    もう一方のエンドキャップには揺れ止めが付いたタイプもあります。
    SOEタイプはOリングでシールするので高精度タイプのフィルターに適したシール方法です。
    ※ 通液時ハウジング内に空気が溜まっている場合、所定の流量が得られないことがあります。
    このような場合空気抜きを行って下さい。

  • 8. 廃棄及び法令について

    ご使用後のフィルターはPTFE素材を含んだフィルター以外は焼却可能ですが、ろ過をされた薬液の性状を確認の上、各自治体の廃棄基準(廃棄物の処理及び清掃に関する法律、PRTR法)を守った上で廃棄処分して下さい。
    また、フィルター及びハウジングは、使用用途や製品個々に関して法令により規制されている場合もあります。
    認識不足の場合、思わぬ事故、損失が生じることがあります。製薬、高圧ガス、危険物などをろ過する場合、法令に従った技術的な設備にする必要があります。
    これらの法令は変更や新たに施行されますので、監督官庁および日本国外で使用される場合は相手国の法令をお客様ご自身でご確認ください。
    規制を受ける主な国内の法令等は次のようなものがあります。
    薬事法、食品衛生法、家庭用品品質表示法、高圧ガス保安法、労働安全衛生施行令、消防法、外国為替及び外国貿易法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等万一、法令違反によってお客様が損害を被られた場合、弊社は一切その責任を負いません。
    一部の国においてPTFE素材は、医薬品・食品・化粧品への接触、及び医療器具部材への使用が規制されています。
    そのため、弊社はこれらの分野で、PTFE素材を使用したフィルターの使用を推奨しておりません。
    PTFE素材をろ過用途でこれらの分野に使用される場合、お客さまご自身で、相手国の法令等をご確認下さい。
    尚、弊社はこれらの分野に使用された場合、一切の責任を負いません。

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